胸が小さいことがコンプレックスの人も、昔はグラマーだったのに胸が萎んだと嘆く人も、女性なら気になるキーワードが“育乳”。「胸が育つなんて10代のお話でしょ」とネーミングだけで判断するのはちょっと待って。今日は、成長期をとっくに終えて、アンチエイジングと戦う大人の女性の育乳にフォーカス。
大人のしょんぼりバストを美しく育てる機能満載の育乳ブラと他のブラとの違いについてお話します。
ブラはどれも同じじゃない。目的・用途・胸タイプで異なる細かな違いに注目
女性の美ボディ願望を実現する機能的なブラジャーが次から次へと発表されていますが、みなさん、それぞれのブラの違いをきちんと知っていますか?
日頃からバストケアにいそしんでいる女性でなければ、「垂れないんだって」「楽チンなんだって」と売り文句や流行でブラ選びをしたり、「このブラかわいー」とデザインのみでブラを購入したりしている人が多いのではないかと思います。筆者の私も物書きとして下着業界の人たちと親しくお付き合いを始める前までは、それぐらいの認識でした。
でもですよ!実は、ブラって想像以上にすごく計算されて作られているのです。人体に対する影響や素材の問題、解剖学や筋肉の付き方、脂肪の流れ方に至るまで、ただ胸を覆い隠す小さな布切れではなく、もう、それはそれは細かなところまで緻密に配慮されています。この細かさたるや、わずかなサイズ感で履き心地に差が出る靴の棲み分けに匹敵するといっても過言ではありません。
ジョギングシューズ、お出かけ用パンプス、ヒールにらくちんサンダルなど、靴はひとりひとりの足の形や用途、目的によって、デザインから使用素材まで計算しつくされていますよね。
ブラも同じ。それぞれの胸の形や目的、用途で細かいところにまで気を配りつくしています。つまり、そのブラはどんな特性を持っているのかを十分理解して購入することで、そのブラジャーが持つ機能も最大限に発揮されるのです。
盛りブラ、補整ブラ、育乳ブラの違いはなに?
数あるブラの中でも混同しやすいのが、盛りブラ、補整ブラ、育乳ブラの3つ。全部、バストを美しく見せるブラですが、目的がそれぞれ異なります。
まずは盛りブラ。
これはブラのカップなどに大きなパッドを入れて、小さな胸を大きく見せようという即席グラマーづくりを目的としたブラです。詰め物をして胸を作るという古典的な発想を洗練させたもので、「とにかく見た目だけ、グラマーになったらいいの!」という人に人気です。
ただし、最近の報告では大きすぎるパッドが入った盛りブラを使い続けることで、本来の胸が圧迫されて形崩れを起こす可能性もあるとのこと。くれぐれもやりすぎにはご注意を!
次に補整ブラ。
これは脇の肉や背中の肉、お腹の肉など、身体のラインを醜く見せる憎き贅肉たちをブラの中に詰め込んで、すっきりとしたスタイルを形作るブラ。あちらこちらの贅肉を胸に集中させるので、人によっては着けるだけで2カップほど胸がアップする人も!巨大パットなしの即席スタイルアップを目指す人は、補整ブラは強い味方です。
最後に胸を育てる育乳ブラ。
基本は補整ブラが進化したものですが、即席のボディメイクを目指すのか、1年ほどかけて本当に胸を大きく育てるのか、目的が異なります。
たとえば、昼間の育乳ブラで有名なのがブラデリスニューヨーク。こちらの育乳は3ステップで胸を大きくするのが特徴。まずは第1ステップで曖昧になったバージスラインをきちんと形作るなど、バストメイクのベースづくりに集中。
続く第2ステップでは離れがちな乳間を狭めてバストを中央にかき集め、ブラなしでもバストトップが高く保てるように癖づけます。
そして最終の第3ステップでは胸を下から持ちあげてリフトアップし、デコルテごとふっくらと形作ります。
つまり、ブラデリスをはじめ、大人の育乳ブラは「胸周りの脂肪をカップ内に収めて癖づけて、バストにしちゃおう」という発想。ブラを着けて大きく見せるというレベルを超えて、最終的には胸そのものをボリュームアップさせることが目標です。ボリュームアップの効果は人それぞれ異なりますが、コツコツと育乳を続けることでブラのカップが2~3カップ上がることも。また、余計な脂肪が胸に吸収されるため、アンダーバストが小さくなることもあります。
また、ノーブラで過ごす夜間や寝ている間に胸の脂肪が垂れてしまう可能性も高い事から、胸の肉を脇や背中に逃さない育乳目的のナイトブラも多数販売されています。
大人の育乳は一日にしてならず、お肌のお手入れやダイエットと同じように、日々の美意識が大切です。本気で胸を大きくしたい人は、ぜひ一度、育乳ブラを試してみてくださいね。